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ルール11 「将来、何になりたい?」と聞かない
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まえがき
「好き」と「得意」を伸ばす子育てのルール15 連載第二回は
ルール11の『「将来、何になりたい?」と聞かない』です。
幼稚園でも学校でも、就活でも聞かれるこの質問、
実は適当に雰囲気で答えているのではないでしょうか。
将来のことはわからないので当然です。
にもかかわらず、何になりたいか強制的に言わされるのが私には不思議でしょうがないのです。
それって、今ある職業から選択せざるをえない時点で、
大人のバイアスがかかった誘導尋問ですよね。
うちの子には〇〇になって欲しい、という親が叶わなかった夢が我が子に託されるという
あやうい場面も多々見受けられます。
子どもが生き生きと好きなことを選択できて、
得意を磨いて暮らしていけるには、
今時の親や大人はどうすればよいのか、
これが本日のテーマです。
〜〜〜〜
親御さんが我が子を他人と比べたり、否定文や命令形で話しかけたりせずに、
親も子も好きなことをして生きていけるようになる1冊ができました。
「好き」と「得意」を伸ばす子育てのルール15(廣津留真理著 講談社)
ルールを15に絞ってすぐに実践できるようにやさしく解説しています。
ぜひ15のルールで、新しい親子関係をスタートしてください。
廣津留真理
ディリーゴ英語教室代表
『「好き」と「得意」を伸ばす子育てのルール15』連載 第二回
ルール11 「将来、何になりたい?」と聞かない
_ | 『「好き」と「得意」を伸ばす子育てのルール15』連載の第二回目、 今日は、今まで聞いたこともないテーマです。 |
---|---|
真理 | みなさん、これまで「将来は何になりたい?」と聞かれまくって大人になっていますからね。 |
_ | まず幼稚園でありました。小学校でも。そして就活でも聞かれました。 真理さんはどうでしたか。 |
真理 | 幼稚園では、雰囲気で「お花屋さん」と言ったような気がします。小学校は記憶にさえないです。何も考えてなかったですからね。 |
_ | そもそもどんな職業があるかも知らない年齢です。 |
真理 | 19世紀の作家、オスカー・ワイルドはこう語っています。 もしあなたがグローサリーの店主や軍人、政治家、裁判官などになりたいとしたら、当然目指したものになってしまう。 それがあなたへの罰だからです。 もしなりたいものを決めつけずにダイナミックでアーティスティックな人生を歩めば、もし毎日、自分のことを決めつけずに人生を過ごせば、 あなたは何にでもなれるのです。 それがあなたへの報いなのです。 オスカー・ワイルドは、「現実を見なさい」という若者に対する声かけがそもそも間違っていると語りかけています。 (「好き」と「得意」を伸ばす子育てのルール15より抜粋) |
_ | 子どもに限界をつくってしまう「罰」を大人が与えているのですね。 |
真理 | はい、一生は100年しかないのに、もったいないですよね。ですから私は、 ・大人は子どもに「〇〇になりなさい」と言わない。 ・子どもは大人にどんなに誘導尋問されても「将来〇〇になりたい」と言わない。 〇〇、という名詞を目指さないようにするのが良いと思うのです。 |
_ | 最近はめまぐるしく世界が変わるので、仕事をめぐる環境も激動していますよね。まさにVUCAの時代です、先が読めません。 |
子どもが生き生きと活躍できる大人の声かけとは
真理 | はい、そこで、私は、動詞で生きろ!と勧めています。 |
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_ | どういうことですか? |
真理 | 「将来、何になりたいか?」と既存の職業名に誘導するのではなく、 「将来は、社会に影響を与える人になってね」 アドバイスするならこれ一択です。 英語では、Make an impact! です。 |
_ | お〜、それなら、何になっても当てはまりますね! |
真理 | はい、社会を良いほうに変える、社会を変革する。 ステキな志です。 I will make an impact!です。 これは私の主宰するハーバード大学生が講師陣のサマースクールSummer in JAPANで、ハーバード生たちがよく口にしています。 |
_ | ビル・ゲイツだってサム・アルトマンだって、子どもの時からITで起業を目指していたわけではないですよね。 |
真理 | 廣津留すみれさんも、職業は何ですか?と聞かれても、バイオリニスト、大学の先生、著述家、コメンテーターなどたくさんあって名詞では職業が答えにくいですよね。 |
子どもの「得意」に大人が気づくには
_ | 真理さんの職業選択はどうだったのですか? |
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真理 | それはシンプルです。「得意なこと」が職業になりました。 |
_ | といいますと? |
真理 | 私は10代20代の頃、その国にいけば1、2日でその国の言葉がしゃべれるという特技がありまして、 |
_ | え、そんな人間がこの世に存在するのですか?! |
真理 | はい、年齢とともにその特殊能力がすっかり衰えて今ではさっぱりですが笑。 例えば、廣津留すみれさんが高校生の時に一緒にイタリアに行って、 イタリア人に美術作品について聞かれたら私がイタリア語で答えていたり、 アメリカ人と中国人とイタリア人が乗合のバスで、気づくと私が全員の通訳を英語と中国語とイタリア語でしていたり。 すみれさんが「ママ、どゆこと??」と仰天していました。 |
_ | それは仰天です。 |
真理 | 「文法とアルファベットの書き取りから始まる英語教育はおかしいんじゃないの、ひろつる式に変えましょう」と今の英語教育に異議を唱えたり、 誰でも簡単に英語にアクセスできるようにオンライン英語教室を営んでいたりするのは全て自分のこの特技のおかげなのです。 他は何もできません。 ものすごい方向音痴ですし笑。 得意がわかったら、あとは、目の前の小さな成功体験をコツコツ積み重ねるだけ。 なんだ真理さんはラッキーじゃん、と思うのではなく、 私に外国語がすぐに身に付くという一芸があるように、 あなたにも誰にも、みんな何かしらの特徴、特技があるのです。 問題は、それに気づこうとしないで、自分を社会の常識に当てはめてしまうから、見えないだけなのです。 子どもの時は偏差値や将来の夢、就活ではエントリーシートや志望動機。 そんな時代にはサヨナラなのです。 |
_ | 〇〇になりたい、理系文系どっちに進む、など未来を予測して準備をし続け、自分の適正を見える化して、現実に当てはめて決断するような世の中にどうしてなってしまったのでしょうか。 |
真理 | 私が訳した本に「今いる場所で突き抜けろ」があります。この本の著者カル・ニューポートさんによると、1970年に出た「あなたのパラシュートは何色?」という本がきっかけで人々が「好きなことを仕事にしなければいけない」という幻想に追い込まれたのではないか、とあります。 MITとハーバードで学んだ米国国教会の聖職者であるリチャード・ボウルズさんが、自分の得意と適正と好きなことを職業にしてほしいと書いたものですが、好きなこと・やりたいことを求めすぎて自分探しに奔走する人が増えしまった。 |
_ | 自分探しはダメなのですね。 |
真理 | 「今いる場所で突き抜けろ」では、仕事で成功する法則は4つ、 ・やりたいことはみつからないものだと悟る。 ・今いる場所で突き抜けろ。目の前にある仕事でスキルを積み上げる。 ・時間や裁量を自分でコントロールできる仕事をする。 ・小さく考え、大きく動け。 これだけでOK。将来なりたいものを見つける必要はないのです。 |
_ | では子どもの才能が開花するように大人はどう接すればよいでしょうか? |
真理 | 一つ、その子自身に向き合う。 二つ、目の前にいるその子の持つ特徴が発芽する邪魔をしない。 三つ、他人や平均はどうだっていい。気にしない。 |
_ | 身につまされます。 |
真理 | 廣津留すみれさんも実は、赤ちゃんの頃から耳が良くて、 洗濯機の音を音符で言っていました。 私には、どぅおんどぅおん、としか聞こえない音がファ・ソ・ラ、みたいな。 車や足音もそうでしたね。 バイオリニストになったのも、音楽好きで根性があるところももちろん重要ですが、その特技も職業選択の要素の1つだったかもしれません。 |
_ | なるほど、子どもの特徴が将来に生きてくるわけですね。 |
真理 | はい。そして、私が英語教育で “Make an impact!”と信じて我が道を延々と続けているように、 どんな職業を選んでも、自分が「社会に影響を与えている」と思い込んでがんばれていれば幸せなのです。 |
_ | 本日は、「子どもに将来何になりたいか聞かない」お子さまの将来の職業選択と子育てのお話でした。 ありがとうございました! |
詳しくはこちらの本でお確かめください。
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ハーバード生たちに学んだ 「好き」と「得意」を伸ばす子育てのルール
(廣津留真理著 講談社 2023年6月23日発売)
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★娘は塾なし家庭学習だけで地方公立からハーバード現役合格&首席卒業!
★ハーバード生たちと仕事する起業家の母が伝えたい世界で通用する子どもの育て方
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一人娘のすみれさんは、大分の公立校から塾なし・留学なしでハーバード大学に現役合格& 首席卒業。現在、オンラインの英語教室を主宰する廣津留真理さん。ABCの書き取りも文法も教えないこの英語教室では、たった週1回75分のレッスンで幼児が英検3級(中学卒業レベル)、小学生が英検2級(高校卒業レベル)に合格する例が続出しています。イエール大学や東京大学、 国立大学医学部といった難関大学に合格する教え子たちも。
グローバル化、AI化が進み、親たちが受けてきた教育の常識が通用しなくなっている今。 これからの未来に生きる子どもたちに必要なのは、テストでまんべんなく平均以上を目指すことより、「好き」と「得意」を伸ばすことです。英語指導にとどまらず、子育てに関するセミナーや、現役ハーバード生を講師陣に迎えるサマースクールSummer in JAPANを毎年主催するなど、これまで1000人以上の現役ハーバード生と関わり、のべ1万人以上の親子を見てきた廣津留さんに、子どもを伸ばす親とそうでない親は、いったい何が決定的に違うのかを教えてもらいます。限られた時間で何をしたほうがいいのか、 何をしないほうがいいのか、その取捨選択法と親たちが家庭でできることを伝えます。
すみれさんとの母娘対談と、「難しいことから先にする」ロケット噴射型のひろつる式英語学習メソッドも収録し、すみれさんが実践し、「塾なしハーバード合格」のベースとなった学習の各家庭での具体的な取り入れ方も紹介します。(Amazon紹介ページより)
「好き」と「得意」を伸ばす子育てのルール15
廣津留真理 講談社 2023年6月23日発売
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