廣津留真理の0歳から18歳までの“子育て応援日記”その10
日本には、“さとり”という、人の心を読む妖怪がいます。“さとり“は、人の前に突然現れて、その人が言おうとすることを先にぺらぺらと言い当ててしゃべってしまいます。
おどろいた人間は逃げようとしますが、逃げる手段を先読みされて、“さとり”にバカにされたり、食べられてしまったりすることもあるのです。
万能メガネをかけて新しいメニューに挑戦中、冷蔵庫に「卵とにんじんが足りません」と教えてもらい、自動運転の車で運転しながらスーパーに行き、途中あわや事故か、と思いきや、自動制御装置のおかげで難を逃れ、帰宅したら注文しようかどうか迷っていた本が小型無人飛行機で届けられ…
そんな時代になりました。日本の妖怪もびっくりです。
“さとり”から逃れる唯一の方法は、偶然、無意識にやってしまうちょっとした行動、のみだそうです。
山で木を切っていた木こりは“さとり”に見つかり、心を読み取られ、食べられる、その瞬間、怖い中でも無意識に続けていた斧で木を割る行為中に、その切り株の破片が偶然妖怪に当たって助かった、とか。
妖怪は「人間は、心に思わないことをやってのけるから怖い」と言って去っていったそうです。
これからのお子さまは、“さとり”の読心術のさらに先、未来を自分で引き寄せる能力、または、完全リラックス状態から突拍子もないものを生み出すか、その2つが必要になってきます。
たしかに英語を含めた言語能力も非常に大切ですが(SIJ2014をお見逃しなく!)、まずはものごとを大きく把握する力をお子さまに授けることが、何より今の私達大人に求められている最重要課題かもしれません。
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