廣津留真理の子育て応援日記その17〜また模試?過剰に入試練習する日本のこどもたち
地方都市の子どもたちの現実は厳しいものです。
主な活動場所は、学校・塾と習い事・大型ショッピングセンター・ラウンドワン・コンビニ、
自分が価値ある存在だと周りに思ってもらうには、
・小学校6年生まで必死に中学入試の練習をして、通う予定もない県外の私立中学を受ける
→受験することを決意すると・・・周囲に、あの子は違う、よくできる、と認められる
→合格すると・・・一生のうち、1週間くらい有名人でいられる、でも通うのは地元の中学校
どうですか、この現実。
日本人の大人が、先進国中で「生産性が低すぎる」と言われて久しいですが、
無理もありません。こどものときから、このような「付加価値の全くない」行動をしているのです。
付加価値のない行動に「めっちゃ価値がある」と信じこまされて育つのです。
その証拠に、地方都市のこどもたちのその努力は、いわゆる難関大学進学率にさえ結びついていません。
“単純作業”から解放されて余暇を楽しむことができるはずの現代社会において、
いまだに放課後も週末も教育と銘打った“単純作業”に追われている層がいます。
そこに欠けているのは、情報へのアクセス、あらゆる可能性を考えることに目をつぶる日常、
何かおかしいと気づいても事を起こすと周りから浮いてしまうことの不安感、です。
勉強ができない人が多いほど儲かる教育産業は矛盾しています。
そもそも、そんな単純作業ができない子どもが多いのは、「教育の中身と教えるシステム」自体が
おかしいからではないですか。単純作業ができないためにがっかりする子、を地方からどんどん生み出して、日本の将来が明るくなるとは思えません。
多くの選択肢から自由に学べて、それぞれの付加価値を高め、世間がそれを認め、社会にその努力が還元される流れを、今、つくらないと、国を治めるエリート層にとってもきわめて雰囲気の悪い未来になってしまう可能性が大です。
一番むつかしいのは、「世間がそれを認め」の部分でしょうか。
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ひろつるまりの子育て応援日記その16 〜子ども・家族・女性・起業、為せば成る!
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