発表会のある習い事はなぜお子さまの魅力アップに繋がるか〜廣津留真理の子育て応援日記32
5月18日(5月17日深夜)のNHKBSプレミアム「パリオペラ座バレエ公演」は、昨年パリ・オペラ座 ガルニエ宮で収録された、アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル振り付けの「レイン」でした。
まさに、タイトルのレイン=雨が示すとおり、スティーブ・ライヒの「18人の音楽家のための音楽」が70分間、絶え間なく続き、永遠に続く水の循環を生命の躍動にたとえたような、極端な強弱のない、深呼吸のようなペースでオペラ座バレエのダンサー10名が鍛えあげた肉体を十二分に使ってはだしで駆け回るステージです。
舞台には上から雨や水を表すのか、無数のロープでできたカーテンが引かれていて、ダンサーがそれに触れて踊ると、まるで水面に広がる波紋のように連鎖が起きて、カーテンが輝きながら揺れます。その水のコンセプトが、テンポが一定で同じパターンを繰り返すライヒのこの曲と、ドリス・ヴァン・ノッテンのシンプルで着心地よさそうな衣装の質感や揺らぎにぴったりで、本当に心が洗われるひとときでした。
楽器の演奏、ダンス、演劇、フィギュアスケートなど、日常的に、「今、ここでやってみせて」とリクエストされても、長い準備とゴールに決めた発表の日をピークに設定しなければ、やってみせたくてもとてもできないような習い事は、きっとどこかでお子さまの役に立ちます。
「18人の音楽家のための音楽」は、ライブでおこなうには非常な頭の回転が必要でしょうが、それを淡々とまるで努力なしでこなしているように美しく聞かせる演奏者、クラシックバレエで鍛えた身体で、コンテンポラリーに挑戦するダンサーのみなさんの地道で細かな動きを集大成して完成させる大きな流れとしてのダンス、手入れの行き届いた髪、心から沸いてくると思わせる微笑、など、ためいきがでる舞台でした。
文章を書く、絵を描く、などある意味やり直しのきく習い事とは別に、今、ここにしかない、そんな瞬間をつくることの重要さは、大人になって始めると怖さが先立つので、ぜひとも小さいうちから始めることをおすすめします。
ブルーマーブル英語教室:お問い合わせはこちら
ひろつるメソッド東京校:お問い合わせはこちら
Summer in JAPAN 2015:パフォーミング・アーツ(英語で演劇)のワークショップがあります お問い合わせはこちら
パリ・オペラ座バレエ公演『レイン』NHKBSプレミアムシアター
<音 楽>「18人の音楽家のための音楽」 (スティーブ・ライヒ)
<振 付>アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル
<舞台美術・照明>ヤン・フェルスウェイヴェルド
<衣 装>ドリス・ヴァン・ノッテン
<演 奏>アンサンブル・イクトゥス、シナジー・ボーカルズ
<指 揮>ジョルジュ・エリー・オクトール
収録:2014年10月18、21日 パリ・オペラ座 ガルニエ宮