廣津留真理の子育て応援日記:さとり世代に足りないもの〜20世紀型授業からの脱却〜

廣津留真理の子育て応援日記 前夜祭1−2

 

さとり世代(無駄な努力や衝突を避け、浪費をしないで合理的に行動する、欲がなくほどほどで満足する:知恵蔵2013より)なる言葉が、いまどきの若者について語る際に使われます。

 

長年子どもたちを見ていて、今が教育の勝負時だ、日本が変わるなら「今でしょ」と感じています。

 

若者がモノを買わない、政治や海外、周りに無関心、こじんまりとまとまる、などの主な原因として、

長い不況や協調性重視の教育、SNSで情報過多になったことからくる「経験していないことでもまるで知っているかのような既視感」があげられています。

 

ですが、上記のような傾向が若者にあるとしたら、それは「教育の中身」によるところが大きいのではないでしょうか。
なぜなら、現在行われている日本の20世紀型教育には、下記の要素が欠けているからです:

1.世界の主要な宗教
2.資本主義
3.日本の敗戦を含む政治・外交

これらをlogicやfactで説明することが、なぜかemotion的にタブーとされてきた故に、日本の子どもたちは、今、世界がどのように動いているのかが理解できていません。これらは大学に入って専門的に学ぶこと、と大人たちはいいますが、そのような機会は大変少ないまま、就活に直面するのが大半です。

これによる弊害は、1,2,3を語るとき、よくわからないので「好き嫌い」「感情」のみで判断してしまうことです。
その判断を下す前に、例えば、日本人には実はなかなか理解しがたい一神教について学ぶ、
資本主義の根本を学ぶ、民主主義や敗戦に至った過程を冷静に学ぶ、自分で考え仲間と議論する、などはそれに反論する立場を取る場合も含めて必須です。

特に地方では、「利益を出す=搾取」と捉えていたり、グローバル就職=国連かJTB(注:その2つが悪いわけでは全くありません)など、これでは地方疲弊だなんだと都会から揶揄されてもやむを得ないくらい、「今ここにいる自分」と世界が隔絶されています。毎日学校や塾に通っているのにもったいない話です。

さとり世代に当てはまらない「トップ層」の子どもたちは、「家庭教育や家庭環境」、「いわゆる地頭の良さとしかいいようのない本人の野生の勘」で1.2.3問題を全てとはいいませんが克服しています。今まさに、このプロセスの再現性をある程度高めることが今どきの保護者の方からも強く求められている、そんな気がしています。

 

英語教育を早期導入しても、語るべき内容もないようでは困ります。本当に改革すべきところに怖がらずに大人が目を向ける、これが
先決ではないでしょうか。

 

Summer in JAPAN 2014開催決定!

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