ノーベル賞大村教授にみる、「好き」と「想像力」を伸ばす子育て〜両親、スキー、留学、美術、リーダーシップ

子育て応援日記39

ノーベル賞大村教授にみる、「好き」と「想像力」を伸ばす子育て〜両親、スキー、留学、美術、リーダーシップ

溌剌と社会に貢献し、素敵な笑顔で人々を幸せにする大村智北里大学特別栄誉教授。ご発言や報道から、子育てのヒントをたくさんいただきましたので5つのキーワードでまとめてみます。
好きこそものの上手なれ!人と違うことを見つけよう!

 

①ご両親
(山梨の農家出身)父からは、農作業をたたきこまれ中3までには村の青年同様の仕事ができた。母からは絵を描くことを進められ、画用紙やクレヨンをかってもらった。母が自宅に飾った絵を幼少期に見て芸術への興味を持った。学力よりも感性を延ばすことを大切にしてくれた。勉強しなさい、とは言われなかったが、英語だけは将来のためにやっておくべき、と両親から熱心にすすめられた。
「後々、非常に必要になったので先見の明には驚いた」

②スキー

(スポーツ少年で、スキー国体出場)レベルの高い人達がいる環境に身を置くことと人まねをしないことの大切さを学んだ。いくら優れた人に教わっても、まねだけでは結局その人を超えられない。地道に努力して、人と違うことして独自の方法を確立しなければいけない、と学んだ。

③留学

(国内の研究に限界を感じていた頃)研究環境が当時、世界最高レベルのアメリカのウェスレーヤン大学に留学、アメリカ化学会会長となる師の元で研鑽を積む。ノーベル賞受賞者のハーバード大学教授との出会いもあり、帰国後はアメリカの製薬会社との共同研究をスタートさせ、日本の産学連携の先駆けとなった。

 

④美術

「私の中では美術と科学は補完し合っていた」収集した絵画を寄贈して美術館を開館、女子美術大学理事長に就任。
「一番大事なのは感性、想像力を育むこと。芸術に進むにしろ科学に進むにしろ、そこから独創性が生まれます。そして想像力は思いやりの心を育みます。」

 

⑤リーダーシップ

大村智式経営の4つの要素:アイディア、資金、人材育成、成果の社会還元

リーダーの3つの要素:
「君子は器ならず(論語)」リーダーは自分の領域のことしか知らないというのでは駄目だ、広い視野を持て。
「実践躬行」身をもってまず行動せよ。
「一期一会」その出会いを一生に一度の機会と捉えて誠心誠意つくす

数々の業績:
・イベルメクチンという寄生虫駆除薬を開発、社会全体の利益のために尽くす。グローバルヘルスの立場から、世界の貧しい国々の人々の健康と幸福に大いに貢献、北里研究所にはロイヤリティーとして250億円をもたらす。
・特許収入で病院を設立
・収集した絵画を寄贈して美術館を開館・女子美術大学理事長に就任

・故郷に山梨科学アカデミーを設立、科学教育の充実を目指す
・研究を経営するとして北里研究所の改革に尽力

・(おまけ)学生時代に学んだ地質学を活かして自宅敷地に温泉施設をつくる

ほか多数

失敗をおそれずに、
好奇心を持って、
広く世界を見渡し、
社会に必要なものを一歩先につくりだす。

大村智教授、ノーベル賞医学生理学賞の受賞、本当におめでとうございます。