未来を予測する最善の方法は、未来を開発することだ。

インターネットでぐんぐん拡がる子どもたちの可能性〜廣津留真理の子育て応援日記34

「学校」という建物に人を集めて行われていた「教育」が、ここ数年で劇的に変わっていっています。

日本では従来からある塾や習い事が進化して、Summer in JAPANのようなサマーキャンプを本格的な学習の場にしたセミナーが増え、フリースクールや特定の教育者が始めた私塾の発展形のような学びの場も市民権を得ています。

海外では、いわゆるオルタナティブ教育と呼ばれるチャータースクール、ホームスクーリングや英才教育、オンラインの教育も含めて盛んです。

1890年代に農耕社会から工業社会へ移行し、その後情報社会の始まりを経て1995年頃インターネット時代が到来しました。2000年移行のクラウドの概念が拡がってからは、

シェアする、

文化が先進国では普通になり、

車、家、リゾート、などの生活基盤から服、ネット上の記事まで、シェアすることが当たり前になっています。

シェアする、の最も大きなものは、「土地の所有」にまつわるものでしょう。

日本の世帯数5000万に対して、住宅戸数は5750万戸、と13%にあたる750万戸が空き屋です。賃貸物件の空室が20%を越える都道府県は27です。

そして、2013年時点で、日本の60歳以上の高齢者割合は、人口の31%と世界一です。しかも、住宅・宅地の持ち主の60%が、その高齢者ですから、このままいくと、土地の価値がさがり、地価の下落や不動産の世代間格差がおき、将来の日本社会に暗い影を落とします。

リバースモーゲージという、自宅を担保に老後のお金を借りる金融商品がありますが、これは、将来売れそうな物件の持ち主である、都市部や活気のある街でしか今のところ使えないでしょう。それ以外は、空き屋として処分されてしまうかもしれません。リバースモーゲージにしても、空き屋になるにしても、自分が生きていた地球上の小さな箱自体には、意味がない、そんな時代です。

保険・住宅・教育、という日本人家庭の3大出費のうちの、住宅が、持ち主が亡くなったあとに、金融機関や公のものになる、保険に入っていてもこれからの日本列島は天災が多いかもしれない、そう思う若者世代が、「家は買わずにシェアする」「起業しても会社はシェアオフィスを使う」「車もシェアする」「人材もシェアする」となるのは自然のなりゆきと言えます。

これから、全ての職業で、どんなことが起きるかわかりません。でも、それは決してこわがる必要はなく、なにが起きても不思議ではない、わくわくする未来、と捉えることで、未来は全くかわってきます。

Summer in JAPANでは、アランケイのこの言葉を借りて、3年目に入りました。

未来を予測する最善の方法は、未来を開発することだ。
The best way to predict the future is to invent it. Alan kay

そして、教育で培われるお子さまの能力そのもの、誰にも奪われることがない、本人に備わる力、こそが、これからの時代を切り開くパワーとなるのです。

土地を借りたり買ったりして「学校」を建てなくても、趣旨に賛同する人達と「自分が望む教育」はシェアできますので、

今回も、SIJの趣旨に賛同する多くのハーバード大学生や日本人大学生、また日本全国・海外からも受講希望者がたくさん応募してくれました。

本日で、受講生のお申し込みは締め切らせていただきます。

7月30日の本番で、お会いしましょう。

Summer in JAPAN 代表理事 廣津留真理