廣津留真理の子育て応援日記その13〜ハーバード大学生の採用面接に思うこと
ハーバード大学があるマサチューセッツ州ケンブリッジはマイナス8度の吹雪でしたが、夏期英語集中セミナーSummer in JAPAN 2014のボランティア講師採用面接をおこなってまいりました。
予想をはるかに上回る応募をいただき、みなさんもちろん優秀で個性的なのですが、書類選考で泣く泣くまずは18名という少数に絞りまして、面接の運びとなりました。
面接初日は、新2年生がこの秋からどのハウス(寮)に住むかが決まる、まるでハリーポッターの映画のような運命の日、“ハウジング・デイ”でもあり、かつ定期試験中でもあったにもかかわらず、みなさん忙しい時間をやりくりして面接にきてくれました。
アメリカでは子どもを褒めて育てすぎる、日本は逆に叱って育てすぎる、とよく言います。褒めておだてて「No dream is impossible. You can do it.」と励まして育てるか、足りないところをガンガン指摘して「まだまだこんなことでは甘い。上を見なさい。」と発奮させて育てるか。。
お国柄だけではなく、ご家庭によっても異なるアプローチです。
今回面接したハーバード大学生、昨年大分に来てくれたハーバード大学生、みなさん性格も英語の発音も、食事の好みも、興味ある分野もバラバラですが、ただ一つ、共通点があります。
それは、
みんな「適度」の自信家である(ように見えるよう努力している、もしくは習慣化している)
ということです。適度、がポイントです。
自信が溢れすぎて、鼻につく存在に見えてはならないし、かといって、謙虚すぎるのも卑屈に見えます。
このうまい具合、just rightな加減、これをぜひ今の小中高生が身につけてくれれば、と思います。
なぜなら、
適度な自信家は自信があるゆえに何事にも積極的にリスクを取ってがんばれる、
そういう適度な自信家を見ると、周りの人は思わず応援したくなる、何か協力したくなる、
からです。
適度な自信のつけ方は、結局、ご家庭での日常生活で決まります。本当に子どもたちは親の言葉・態度をよく観察しています。
おまけに、「アメリカの大学は入学する時に学部・学科の縛りがないので、入ってから好きなことを学べる、自由度がある」とよく言いますが、それはほとんど眉唾ものです。
確かに、好きなことは学べますが、「好き」と「得意」は別ものです。
ハーバードのみなさんは、それぞれすでに高校卒業までに、「ものすごい得意分野」を持っているのが実際です。それをさらに伸ばしながら、周辺分野を新たに開拓しつつ、学業とは全く異種の課外活動を広く行う、そうやって大学時代を過ごしているのです。
日本の小中高のみなさん、高校までに「ものすごい得意科目」「ものすごい得意な活動」を作りましょう。または、作るような方向性を持ちましょう。
「すでに役割を終えたフィルタリング用コンテンツ」としての受験勉強はほどほどにして、学年や国境を越えて、どんどん得意分野を伸ばしてみてください。
きっと、新しい道が拓けてきます!
応援しています。
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