時間のムダは最大の敵!お子さまの習い事と勉強はコスパが大切〜廣津留真理の子育て応援日記29
オーバースペック、という言葉があります。
過剰性能、と訳されていますが、つまり、「不必要に過剰に高性能」な状態を表します。
たとえば、使わない機能が盛りだくさんの冷蔵庫、普通に冷やしてくれて、凍らせてくれれば良いだけなのに、刺身にはこれ、ビールジョッキにはこれ、と不要なものがついていて、値段が高くなったり使用が面倒になったりしています。
日本の英語はこれと同じです、極めてシンプルな内容に対して、学習法が「不必要に過剰」なのです。時間を費やしても、結局、英語を身につけて使えるようにはならず、「英語の習い方(文法用語、フォニックスの進め方、等枚挙にいとまがありません)」と「英語問題の解き方」と「学習教材の本」に詳しくなって終わります。
世の中には使える英語の情報がこんなに溢れているのに、不思議な現象です。
では、なぜ、ひろつるメソッドにすると、ゼロからはじめた小学生が、高校1年生の教科書が読めるのでしょうか?
種明かしをすると、簡単です。
もともと、中学校3年間の英語が、その程度の学習で済む、極めて薄い内容だからです。
中身がなくて、パッケージだけ”すごい”のです。
この薄い内容の中学英語を、小学校高学年から「中学準備対策英語」として始めると、なんと、5~6年間が、ムダになります。
オーバースペックの原因は、安全策を取り過ぎることにあります。
高校入試対策、定期テスト対策、これらに失敗したくない。。。こうすることで、英語力獲得という本来の目的から離れていきます。
また、完璧主義、も一因です。
うちの子は、英語の長い文章が読めているが、実は単語を全部わかっているわけでもないし、文法も理解していない、だから、まずは文法からだ逐語訳だ、と不安になる保護者様が時折いらっしゃいます。
母国語の日本語でさえ、長い文章を読むときは、ざっくり端折って読みますし、知らない単語は推測して進めます。
「英文解釈」世代は、英語を読む時は、なぜか、完璧でないといけない、と思ってしまい、それが、お子さまのオーバースペックを引き起こします。
ちょっと脱線しますが、お隣の韓国では「仕事で要求される内容よりも、学歴のほうが高い、オーバークオリフィケーション」が起きています。(OECDの調査より、2014年)
「存在しないホワイトカラー職につくために訓練」された大卒のひとによく見られる、とあります。
要するに、大卒なら希望するホワイトカラー職にだれでも就けると思っていた、しかし、これは幻想だった、自分の就活に大卒の学歴は不要だった、わけです。
英語も、学習法に詳しくなっても、英語がうまくなっているわけではありません。
ITの端末で学習が始まると、さらなる、英語と無関係の、機材の使用に絡む大人の都合による「オーバースペック」が出てくるでしょう。未来を担う子どもたちが、負担なく、楽に効率的に学習できるよう、上手なシステム作りが大人世代には求められます。
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